2018年7月7日(土)から開催の、金属工芸公募展『いまからまめさら2018』から、注目の作家をご紹介いたします。
秦 世和(はだせいわ)さんは愛媛県出身、京都の精華大学で陶磁器を学ばれ元々焼き物を専攻していた異色の作家です。大学在学中から様々な工芸に興味を持ち、卒業後は一旦陶磁器メーカーにて従事したものの再び京都へ工芸の探求に戻ってこられました。
ご縁あってその頃、清課堂にて錫の加工法を学びに来ることになりました。当時は焼き物(主に磁器)、錫器のほか、竹材加工にも興味を持ち多彩な表現活動に打ち込んでおられたと記憶しています。今ではまず考えられませんが、最初秦さんは約束もなく飛び込みで「働かせて欲しい」と頭を下げて来られたのが大変印象的でした。父と私二人で営んでいた清課堂において、初めてのパートナーでもありました。
数年後一通り錫の知識を学んだ彼は独立、自ら錫工房を立ち上げることとなります。錫の鋳造加工の際、偶発的に起こるひび割れ(クラック)に着眼し、それを彼独自の表現となる「破れ錫」として昇華、様々な器物に応用してゆきます。これはもしかすると、割れることのある陶磁器製作を経験した彼にしか出来ないものかもしれません。どこか寂しげで、また芯に荒々しさも持つ彼の破れ錫を一度手にとってご覧下さい。
(山中源兵衛)
秦 世和
略歴
京都精華大学陶芸専攻卒業。
2015 個展/『破錫|秦世和』/瀬戸美術(大阪_FESTART OSAKA 2015)
2012 個展 美術處 米田春香堂 (大阪_FESTART OSAKA 2012)
2011 第1回 現代工芸アートフェア (東京)
(2018年現在)
金属工芸公募展 いまからまめさら 2018
展覧会期間
2018年 7月7日(土)~ 7月16日(月・祝) 各日10時 ~ 18時
授賞式/レセプションパーティー
2018年 7月7日(土) 18時 ~ 20時
展覧会場
清課堂
〒604-0932 京都市中京区寺町通二条下ル (店舗案内)
TEL 075-231-3661
展覧会・作品応募の詳細
日本語 金属工芸公募展 いまからまめさら
Français Exposition concours d’artisanat du métal « Ima-kara Mame-sara »
English The Ima-kara Mame-sara metalworks exhibition
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