鹿児島県奄美大島の、とある公共施設からのご依頼。すこし前の仕事ですが、モチーフが興味深かったのでご紹介いたします。京都新聞にて、「アマミノクロウサギ」が野犬や猟犬に襲われて減っている、との記事から連想。
島の天然記念物である動物「アマミノクロウサギ」と「ルリカケス」を題材に屋外彫刻を制作いたしました。噴水の傍にチョコんと座る親子のウサギと、噴水の水を飲むルリカケス。いずれも青銅を用い、緑青(ロクショウ:銅錆)仕上げにいたしました。盗難や悪戯防止のために、地中まで硬い支柱が埋めこまれています。
通常は、車の排気ガスから出る硫化物に注意し、ある程度の表面保護施しておくのですが、今回は空気のきれいな奄美大島での設置のため、青銅のまま後処理をほとんど施しませんでした。青銅本来の美しい寂び色が出てくることでしょう。逆に都会では、青銅屋外彫刻や銅屋根・樋(とい)は排気ガスによって「真っ黒」になってしまいます。
(工房より)