香炉の火舎

2006.03.26  お誂え 香の器

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香を焚いたり聞いたりするための器「香炉」にも、様々な種類があります。香炉の火舎(火屋とも:ホヤ)の製作も、私共の仕事の一つ。

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写真は、香道で主に用いる「阿古陀(あこだ)」香炉。胴部は、桑の木をくり貫いて作ります。昨今は桑の木がなかなか手に入らず、価格も高騰しています。阿古陀とは瓜の一種で、その瓜に似ていることから呼ばれています。

金属加工は大概、上から見て丸い同心円のもの、もしくは二次元的・直線的なものの成形は容易です。逆に、構成する角や曲線・曲面の数が多いほど難易度が高いと言えます。弊堂の仕事でもっとも成形加工の難しい部類に入るのが、この阿古陀香炉の金具部分。外観だけでなく、火舎と落としの合口(あいくち)も六つ割りになってい、どの向きからでも火舎がきっちり入る様に緻密かつ正確に成形せねばなりません。厚さ1ミリ前後の純銀板を用いて製作します。