荒神棚の跡

2006.03.14  コラム

弊堂は約30年前、不審火による火災でそのほとんどが焼失しました。しかし、奇跡的に残り今も伝わるものもございます。

布袋さん
店舗を入って左手、もともとこの場所には「おくどさん」(かまど)があり荒神棚が掲げられていたあたりに、伏見人形の「布袋さん」を飾っています。合計七体+α。家を新築するとその正月に伏見稲荷に詣で、買って帰ります。稲荷詣でを7年繰り返すと七体集まり、「福の神が七体揃う」と縁起の良いしるし。小さいものから順に揃えでいきます。陶製なので、火災を免れたようです。

前回の新築が明治の初めですので、その頃から家にあったものと推測されます。今では「荒神棚」ではなくショーケースになっていますが、いまでも正月には荒神松を飾り、布袋さんに供えています。

本来は家に災難が降りかかると全てを棄て一新するのですが、当方では「復興の証」としてあえてこれらを残しています。今はこの七体に、新しい一体を加えています。十二体揃えるのも良いとお聞きしました。
(清課堂より)