豆本キット「寺町の魁」

2009.02.18  地域貢献 清課堂の日々

地域商業活性化・まちづくりのお手伝いに長年携わっております。

寺町通りの二条~御池通間にある、商店街の役員になって15年経ちました。就任当時、私はまだ25歳。他の役員の方々は最も若い方でも40歳、平均年齢が70歳くらいだっと思います。以来ずっと、「てらまち」とは切っても切れない関係が続いています。

さて、今年企画したプロジェクトは2つありました。


ひとつは街路灯に装飾した、大きなフラッグの制作です。京都の街づくりにおいて最も大きな問題に、電線と電柱があります。観光都市と呼ばれる街において、京都ほど乱雑に電柱が立ち並び電線が張り巡らされたところはないでしょう。煩雑な看板も然り。

実は、国や行政によるこの電柱・電線地中化はほとんど進んでいません(天下り法人に膨大な税金を投入するくらいなら、こちらを優先して欲しいと切望します)。致し方なく、ここは発想の転換で『電柱・電線を隠す』デザインはないかと考えました。

寺町通りを南から上って御池通りに差し掛かった辺り、ここで御所、北山を望んでください。昨年までは、醜い変圧器と電線が美観を損ねていましたが、このフラッグによってほとんど気にならなくなります。これは広告物ではなく、街に彩を添えるための新しい形のツールになったと思います。


もうひとつは、現在制作中の「豆本キット」。

洋の東西を問わず、古来より愛されてきた豆本をご存知でしょうか。手のひらに乗るほどの小さな本で、日本では雛遊びの一つでもあり、今でも愛好家・収集家がたくさんいらっしゃいます。

この豆本を、今回はお客様ご自身の手で製本していただけるような、簡易なキットとなっています。ハサミと糊さえあれば、だれでも簡単に製本が可能ですので、お子様からお年寄り、観光のお客様まで広く楽しんでいただけるのではないでしょうか。

形や色、構成を試行錯誤しています。

しかも、今回私がデザインのモチーフにしたのは、明治期に発行された京都の商店紹介本『都の魁(みやこのさきがけ)』です。老舗・大店が名を連ねた、木版の商店辞書のようなもの。もちろん、当時は広告の意味も強かったと思います。

トップ画像は、ホンモノの「都の魁」。さすがに豆本にここまで細かい絵はかけませんが、イメージはなるべく再現したいと思っています。

完成をお楽しみに!商店街各店舗にて、無料配布の予定です。