今城晶子作の帯留め 

2009.10.10  展覧会

今回の展覧会で発表されている今城晶子さんのユニークな帯留めは、どのようにして作られているかをご紹介いたしましょう。

今城晶子

帯留めの元は、懐中時計と手巻き腕時計です。

まず、これらのパーツをはずしていきます。そしてさらに地盤がフラットに成るまで、表と裏のパーツをはずして行きます。そして取り去られた跡(この跡というのがなんとも愉快な穴の形なんです)を生かし天然ルビーをはめ込んでいきます。
もともと手巻き時計には、受け石には金属だとすぐ磨耗してしまうので、ルビー(人工ルビーの方が硬いとか)を使っていたんですね縲
作品によっては、裏に、時針や分針をとりつけたおしゃれなのもあるんですよ縲

今城さんに、この「トキノカケラ」と名づけられた帯留への想いを語っていただきました。

「手巻き時計の魅力は、普段文字盤しか見えない内側に想像できないほど、美しいパーツが隠れている事だと思います。そのパーツの中でも私の大好きな核となるパーツの地盤を使って帯留にしました。
このひとつ一つの違ったcrater(月面などの窪み)の様な穴だらけのパーツは宇宙の様な力強さを感じます。
この普段見えない美しさを皆様にも見ていただきたいと思います。」

古い時計のなんともいえない真鍮の色の美しさ・・・これも今回の作品の魅力のひとつです。(kazu記)