長野へ 小布施~善光寺

2010.04.14  コラム 清課堂の日々

手の空いた日を見計らってお休み頂戴し、長野県へ車で行ってまいりました。長野は、近いようで遠い存在。学生時代は山登りに北アルプスへ何度か、その後はスキーへ何度か行ったきり。今回は20年ぶりの長野行きとなりました。

小布施

さて、今回の長野は目的があって参りました。最初は小布施へ「小布施堂」「桝一市村酒造場」さんへ。こちらは、小布施を歴史観光都市として世界へ名を広めた立役者であります。また、企業として数々の挑戦を続けてこられ老舗の名に胡坐をかくこともなく、まちづくりや文化、遺産の発信・保護にも日々務めてらっしゃる憬れの企業。実は、弊堂のお得意さんでもあります。

こちらに到着して先ずはじめに感じたのが、センスの良い空間。歩道が木で出来ています。雨の後なので濡れ、しっとりといい色に。

小布施 桝一市村酒造場
駐車場に大きな木が敷きつめられていて、普通なら砂利やアスファルトを敷きつめるところを殺風景に見せず、クルマを置くだけのスペースですがナチュラルな空間となっていました。

桝一市村酒造場ー看板

色合いといい書体といい、格調の高い看板の前で記念撮影。中には「手盃」とよばれる量り売り直飲カウンター、「寄り付き料理」を出される和食処もあるのですが、これから運転もひかえているために今回は断念・・・。どちらも錫の器でお酒をいただけるのですが、これは次回のお楽しみとしておきます。

最後に、お土産には原研哉氏デザインのボトルが有名な「白金」を。

これは、うちの徳利にも近い形のものがあって、すごく親近感が沸いてきます。我が家の永久保存版ボトルにします。ウェブサイトの写真では判りづらいですが、ボトルの胴が楕円になっているところがデザインのキモ。

 


 

時間に限りがあるので小布施滞在はそこそこにし、次に向かったのは善光寺でした。今年「本厄」を迎える私の厄払いと兼ねて、七味で有名な「八幡屋礒五郎」さんの新店を見学してきました。

八幡屋礒五郎 看板

2008年3月の記事(七味唐からし調合器)に書きましたが、新たにオープンされた大門町店でご使用になる金属製の器を数種特別オーダーいただきました。弊堂のすぐ近くにある辻村久信デザイン事務所さんが、『土蔵』をモチーフに、町並みと調和した店舗を設計されました。

八幡屋礒五郎さん大門店

七味屋の調合場所
錫の七味入れと調合場

七味の材料である唐辛子をはじめとする素材を、好みに合わせて調合していただけるこのお店独自のサービス。量るための大小いくつかの匙は鍛造の黄銅・スズめっき製、混ぜ合わせて缶に流し込むための調合器は、銀を多く含む錫合金製。いずれも世界に一つ限りの特別製です。

また、あまりにも手がかかるために月産15個限度しか作れない、錫製の七味入を現在共同制作中です。削り出しの錫の筒は御紋の彫刻を施したあと、木箱に入れた上に、本体イメージにぴったりのケースに入って近々登場することなるでしょう。近年に無く神経をすり減らして製作した努力作です。どうかご期待ください。

七味入れ写真
七味入れ上部