古より霊峰とされ、信仰の対象、修験者の霊場として崇められてきた富士山。日本を代表する名峰であり、その美しい形状と周囲の風景から多くの人々に愛され芸術の象徴ともされており、多くの文学作品や絵画に描かれ詩や歌にもなりました。明治時代までは女人禁制とされ、女性が登山する事は長らく禁止されてもいました。
清課堂では、この美しく神々しい富士をそれにまつわる歌とともに錫製の茶入に彫り込みました。富士を題材にした連作として「錫 四方茶入 富嶽遠景図」をご用意しています。(5種 各1点:2023年5月現在)
錫 四方茶入 富嶽遠景図 五月の晦
田子の浦ゆ うち出でて見れば真白にぞ 富士の高嶺に雪は降りける
橘守国「絵本冩宝袋」より “業平の東下り” の情景と、万葉集より山部赤人が詠んだ歌を彫刻しております。
錫 四方茶入 富嶽遠景図 赤富士
秦皇採薬竟難逢
東海仙山是此峰
万古天風吹不折
青空一朶玉芙蓉
秦皇(しんこう)薬を採りて竟(つい)に逢ひ難し
東海の仙山は是れ此の峰(みね)
万古天風吹けども折れず
青空一朶(せいくういちだ)の玉芙蓉(ぎょくふよう)
錫 四方茶入 富嶽遠景図 御坂
仙客来遊雲外巓
神龍棲老洞中渕
雪如紈素煙如柄
白扇倒懸東海天
葛飾北斎「富嶽三十六景」より “甲州三坂水面” の情景と、石川丈山が詠んだ漢詩を彫刻しております。
錫 四方茶入 富嶽遠景図 七鶴
不尽の嶺を 高みかしこみ 天雲も い行きはばかり たなびくものを
夜明けに富士に向かって飛ぶ2羽の鶴・水辺にて佇む5羽の鶴と大変縁起の良い図柄。
葛飾北斎「富嶽三十六景」より “相州梅沢左(そうしゅううめざわひだり)” の情景と、奈良時代の歌人 高橋連虫麿(たかはしのむらじむしまろ)が詠んだ歌(万葉集より)を彫刻しております。
錫 四方茶入 富嶽遠景図 黒富士
駿河なる 富士の高根は いかづちの 音する雲の 上にこそ見れ
富士の雄大さと神々しさを雷鳴を題材にした2つの作品を茶入に施しました。
葛飾北斎「富嶽三十六景」より “山下白雨(さんかはくう)” の情景と、延享3 年(1746)賀茂真淵が詠んだ歌を彫刻しております。
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