洛北岩倉の古刹、妙満寺「雪の庭」は、俳諧の祖とされる松永貞徳が手掛けた名庭です。京都洛中「雪月花の三庭苑」のひとつにも数えられています。この度、その「雪の庭」をモチーフに錫製の箸置「庭石」を新たに制作いたしました。
なぜ「雪の庭」が、しっくりきたのか? それにはいくつか訳があります。
・一つ目は地縁です。
妙満寺が現在の岩倉へ移築する前に建っていたのは、清課堂がある寺町二条。とりわけ庭は寺町二条時代の石組がそのまま移されています。寺町通には今も妙満寺前町の地名が受け継がれており、深い縁を感じました。
・二つ目の理由は造形としての純粋な面白さです。
個性的な庭石が種類豊富に配置された様は、創作意欲を掻き立てずにおきません。そんな中から形も肌合いもそれぞれ異なる表情豊かな五つの庭石を選び取り、一つひとつの違いをくっきりと際立たせてることで、自然の風合いで食卓を彩ると共に、淡い銀色の錫で清潔感を加える効果も生まれています。
和食には、食材だけでなく器や盛り付けでも季節を表現する文化があります。庭に見立てた食卓の仕上げに、庭石のイメージで箸置を添えて、四季折々の風趣を味わっていただけますと幸いです。
お買い求めについて
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