本田ゆうすけ個展 開催中

2012.11.17  展覧会 本田ゆうすけ

13日(火)より、本田ゆうすけ個展 ~ Sing a moment ~が始まっております。

2日間にわたり展示設営は、作品の配置だけでなく照明や風の流れを十分に検証して行われました。初日より、すでに多数のお客様にご来場いただいております。本田さんにはこの個展に際して、展示の見所や意気込みをお伺いしました。

 


山中源兵衛(以下山中): この個展に向けて作られた作品は、どんな思いをこめてらっしゃいましたか?

本田ゆうすけ氏(以下本田): 今回の作品はモビールが主になります。私のモビールは、ゆったりとした動きが特徴のひとつで、見る人にはゆるやかな動き、そのかすかな動きに意識を向けて、じっくりご覧いただきたいと思っています。日々のあわただしい時間をふと忘れる瞬間がそこにあります。

山中: 紙で出来たモビールはよく目にしますが、金属は珍しいですよね。

本田: ある程度の重さがあるので、必然的に動きが緩やかになります。また、金属本来のもつ色を活かしたモビールに仕上げています。

山中: そうですね。鮮やかな赤や、金、さびた風合いの緑青などは、もともと金属ならではの色ですね。銀色をしたステンレスの支柱も、うまくデザインに取り込んでらっしゃいます。展示設営ではそれらが活きるよう、照明の当て方にすいぶん苦労しました。

本田: お陰で、今までになかった展示にしていただけました。とくに茶室の展示は、勉強になります。作品自体は今までの流れから大きく変化はしていないのですが、和の空間にどうマッチするのかが気になるところでした。展示が完了して、普段の生活にすごく近い、すごくマッチしたものになったと思います。蔵、茶室、和室、それぞれの空間と調和して、モビールのさまざまな表情を見ていただけると思います。

山中: 影も作品の一部といえるほど、すごく印象的ですね。

本田: 制作しているときは、あまり影のことまで考えていないんです。光のあたり方で、影にもいろいろな見え方があります。今回の展示は、影にも見どころがあると思います。昼と夜とで、モビールの見え方がかなり変わってくるんです。

山中: 今年の春にご結婚され、またこの展覧会はじまってすぐに30歳の誕生日を迎えられたことと思います。節目でいろいろ生活にも変化があったと思いますが、作家活動に影響はありましたか。

本田: 作品作りにおいては、妻には感想やアドバイスをもらったりと、頼りになるいい存在になってもらってます。デザイン面でも、女性的な一面が出てるかもしれません。京都まで出荷する膨大な荷物の梱包や、展示の設営にもかかわってくれました。展覧会期間中も私と一緒にお客さまの応対をしています。彼女も金工作家ですが、お互いの刺激になるいい機会となりました。30歳という年については、まだよくわかりませんね。

山中: 2週間の長丁場ですが、慣れない京都での生活にお体には十分お気をつけください。最後までどうぞよろしくお願いいたします。

展覧会についての詳細情報はこちらよりご覧いただけます。