祇園祭でのお仕事

2006.07.10  コラム 地域貢献 清課堂の日々

弊堂も、様々なお祭りが近づくとにわかに慌しくなります。神事に関連する器の製作に追われますが、今はようやく一段落しています。写真は、納品前最後の洗浄作業。祭りにおける私共の仕事で最も多いのは、錫(すず)製の瓶子(へいし:御神酒徳利)の製作です。

 

これは御神体にお酒を奉げるための特殊な器で、形状・材質もいくつか有り、代表的なものは写真の「神代形(じんだいがた)」。錫製のものがもっとも格高いといわれています。
祇園祭においては山鉾町から直接ご依頼いただくこともありますし、奉賛者からの寄進・奉納品として一般の方々からご依頼いただくこともあります。奉納の場合は、寄進者の名前や年月日を彫刻します。現在、これを作っているのは私共を含め、日本でたった2つの工房だけです。

時間に余裕をもってご依頼いただくと当方も助かるのですが、決まって間際の受注になります。通常は40~50日ほどかけて作り上げるにもかかわらず、お急ぎのお客様は「祭礼までになんとか仕上げて」ということもあります。
今まで慌てた仕事はもう10年近く前、吉符入り酒盃の直前に、町内に伝わる大切な徳利に故障・漏れが見つかったと持ち込まれました。もちろん大急ぎで漏れを修復しましたが、なんとか神事は乗り切れたようです。

瓶子
*鉾町の御神体前や御旅所神輿前には、多種多様の錫の瓶子が並べられます。この機会にぜひご覧下さい。(2005年撮影)

錫製品、錫器、錫製酒器のお求めは、ぜひ弊堂にて。