淨益 菊割建水 お色直し

2006.12.04  茶の器

弊堂では、各種金属工芸品の修理やメンテナンスを承っています。

中でも特別なもの、すでに長くお使いの器をたとえば「嫁ぐ娘に持たせてやるため」、「独立する弟子のお祝いに」と、お色直しをすることがございます。

自然についた細かなキズを取り去ったり、再発色をさせてやったりと、手間をかけ直してやりますと見違えるように綺麗になります。長く使い込まれて着いた「古美」や「寂び」も金工品ならではの良さではありますが、上記の例の様な特別な場合には、「お色直し」をお薦めいたします。

建水
さて、なかでも茶道具の一種「建水」のお色直しを時々承ります。上の写真は、千家十職に挙げられる淨益作のもの。「菊割形建水」といって、淨益を代表する建水の一つ。古いものをお預かりして、メンテナンス・修理をいたしました。所々に出ていた腐食、水垢汚れも除去し、特殊な薬品で煮ると綺麗な黄色に再発色します。

この淨益建水のすごいところは、年代によって何人もの職人の手によって作られたはずにもかかわらず、それがほぼ大差ないことです。いつの時代も、設計図に基づき非常に精密に製造されているようです。

 
 
 
 
 

 

修理について

弊堂では、洋の東西を問わず金属工芸品の修理を承っております。日々作り続けているもの、オーダーメイド品の他にも、傷んだ金属工芸品の修理も私どもの大切な仕事です。物理的な可否や工費の大小はございますが、まずは私どもにご相談ください。詳しくは「修理について」をご覧ください。

※他社製品の修理に関して:金属製品は他の素材に比べ寿命が長いことから、業者にはその製品の修理の責任があると弊堂は考えています。また製造業者は素材や技術を熟知している分、弊堂よりも工賃が安価に収まることの方が多いです。メーカー・販売店が現存する場合、先ずその業者に修理をご依頼ください。