うつわで出逢うふたつの文化 日本・デンマーク外交関係樹立150周年作品

2018.03.03  お誂え 茶の器 酒の器

2017年、日本とデンマークの外交関係樹立150周年を記念して11月には京都市、12月にはコペンハーゲン市でそれぞれ「Lars Vejen デザインコラボレーション展」が開催されました。

主催者であるデンマークの建築家・デザイナー、Lars Vejen(ラース・ヴァイェン)(以下ヴァイェン)<https://www.larsvejen.dk/>が、自ら京都をはじめとした日本各地の職人に働きかけてプロジェクトを始動。20代を過ごした京都工芸繊維大学に留学中見学や研修で訪れた工房、さらには日本の工芸・文化そのものに恩返したいという想いを込めて、多ジャンルのコラボレーション作品を製作しました。

 

2017/11/3~12/3、京都伝統産業ふれあい館ギャラリーでの様子

 

Lars Vejen(ラース・ヴァイェン)、2017/12/7~2018/2/11、at Gallery A. Petersen Collections & Craft in Copenhagen

 

コペンハーゲン会場では、ベネディクテ デンマーク王女様にもご覧いただきました。(Photo by Hanne Juul)

 

清課堂当主 山中源兵衛は友人として、また伝統工芸の担い手として、このコラボレーションプロジェクトに参加。ヴァイェンの留学当時に京都の金属工芸をナビゲートして以降、約20年にわたって続いてきた交流が、協働製作というカタチで実を結びました。

北欧、デンマークの豊かな森に育まれたデザインは、素材の良さを大切にしたシンプルなスタイル。使う人を主役に据えたものづくりは、一見シャープな印象でありながら、根底に人間的な温もりが感じられます。洗練された機能美は、装飾的な造形よりもシンプルモダンを追求する清課堂と相通ずる部分。さらには北欧と日本、双方の文化に共通する考え方とも言えるでしょう。

協働作業は主にメールでやりとりを行い、氏の来日時には工房で打ち合わせを行うというもの。顔を合わせる頻度は少なくとも、デザイン思想の親和性の高さが幸いし、驚くほど意思疎通がスムーズでした。

 

“SAIBI” pewter series Table Wear (Pitcher, Cups)(Photo by DEJAN ALANKHAN)

 

“SAIBI” pewter series Table Wear (Pitcher, Cups)(Photo by DEJAN ALANKHAN)

 

“SAIBI” pewter series Tea Caddy(Photo by Manabu Matsui)

 

およそ半年、製法・材料を何度も見直して完成したのは、スラリと無駄のないフォルムが際立つ口すぼみのカップや茶入れです。

金属加工は、ラッパ状に先の広がる形状が一般的。上に行くほど口を狭める職人泣かせの技法は難度が高く、何気ないようでいて非常に挑戦的な試みです。またいずれの作品もラース氏のおこしたデザインを忠実に再現しつつ、錫が持つ質感や重量感、形状の美しさなどを最大限に表現できるよう心をくだきました。

さまざまな金鎚の鎚目を活かした独特のテクスチャーも、清課堂ならではの味付けと言えるでしょう。

 

 

今プロジェクトで生み出された作品群を販売いたします。2つの文化が溶け合い、昇華した良質なうつわ。暮らしになじむ、さり気ない個性をお楽しみください。

 

“SAIBI” pewter series Tablewear

 

No pattern(磨)

Stone pattern(石目)

Round pattern(丸鎚目)

 

“SAIBI” pewter series Tea Caddy

 

お買い求めについて

京都寺町二条の店舗の他、オンラインストアからもご購入いただけます。

SAIBIシリーズ

清課堂オンラインストアでは、この他各種新作も取扱いしております。

 

Lars Vejen(ラース・ヴァイェン)/ Architect Designer

Photo by Dejan Alankhan

 

About Architect & Designer Lars Vejen
Lars Vejen (born 1971, Kolding, Denmark) lives and works in Aarhus, Denmark while having his second home and studio in Kyoto, Japan.
He is a trained architect and designer (MAA, MDd) from the Aarhus School of Architecture, 1996. His training was followed by 18 years in one of the leading architectural companies in Scandinavia. Here, he spent more than 10 years as Design Manager, responsible for the company’s design department. In 2014, he founded Design Studio Lars Vejen where he continued his long-standing cooperation with a broad European clientele. Since then, his design work has spread to many new companies, including many from Japan. During his career, Lars Vejen has given lectures in Denmark and abroad and is an award-winning designer, responsible for a broad collection of different products – from jewellery, textiles, ceramics and home accessories to furniture, lightning, urban space accessories and building components.

E-mail: press@larsvejen.dk
www.larsvejen.dk