2010年8月に限定発売された、七味入れをご紹介します。
発売前から口コミで話題が広がり、発売を今か今かとお待ちいただいたお客様もたくさんいらっしゃったとお聞きしております。
善光寺門前に蔵をモチーフとした八幡屋礒五郎大門町店が竣工した際、この店舗設計をされた同じく京都の辻村久信氏のご縁で、この錫製の七味入れが発案されました。古来より、気密性が大変高く、香りを逃さず害虫も寄せ付けない錫の茶壷からヒントを得て、七味入れの特別製作の計画が始まりました。
以来構想より丸2年半、遠距離であるにもかかわらず打ち合わせを重ね、試行錯誤を繰り返し、このたびようやく発表となりました。
もっとも苦労したところは、蓋の表面に七味をあしらった丸ニ七陽紋を打刻する際、紋の面で強く押しやられた錫の肉の逃げ場が無く、天面が大きく歪んだり、紋自体が崩れてしまったりと、設計どおりにゆかない問題が起こり失敗作が沢山できたところです。多難な製作となり時間ばかりが過ぎてゆきましたが、手の慣れといいますか、コツをすこしづつつかみながらクオリティをあげてゆきました。七味7g付き、限定50個の発売となりました。。
そこそこ高額の品ですから、時間をかけて販売されてゆくのだろうと予想していたのですが、それとは裏腹に発売1週間でほぼ限定数に達したのだそう。さすがは200年以上続く日本を代表するブランドの老舗七味屋さんですから、新聞各紙でもこの製品の発売が大きく取り上げられたそうです。
(写真はプロトタイプ。販売実物は、蓋の天面に八幡屋礒五郎様の御紋が大きく彫刻されています。)
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