祇園祭のハイライト、山鉾巡行とともに梅雨が明け、夏本番。
京都特有の湿気の多い、じとっとした夏の到来です。
先日の鉾の巡行を見ながら、ふと・・・・
祇園祭りが始まった平安時代
都に住んでいた人々も、現代の私達と同じ様に
このじとっとした蒸し暑い夏を毎年迎え過ごしてきたんだなぁ・・・
と、思うと同時に、冷房機器の無いこの時代
どのように生活の中に涼を取りこんでいたのでしょうか?
庶民の生活はさておき・・・
上流貴族社会では様々な方法で涼を取っていたようです。
冬の間に出来た氷を氷室で貯蔵し、夏に取りだして
氷に手足を浸けて涼んだり
今で言う、かき氷のようなものを食べたりしていたようです。
また、この時代お香を日常的に用いる様になり、
部屋や衣服、手紙等をお香で薫き染めるのは一つの嗜みとされ
香りで四季や心の機微を表現していました。
・銅香立 翡翠 錫皿付
※ SOLD OUT こちらの製品は完売いたしました。
古典文学の中でもお香が登場し、さまざまな場面の情景を映し出しています。
当時の人々はこの暑い季節に、どのようなお香を薫き染め過ごしていたのでしょうか?
源氏物語の中にも登場するお香で、四季をイメージして作られた
「六種の薫物」(むくさのたきもの)というお香があります。
その中の「荷葉」(かよう)は、蓮の花をなぞらえた涼しげな香りで
夏のお香とされています。
・香立 ひつじ草 (ガラス皿・非売品)
※ SOLD OUT こちらの製品は完売いたしました。
この「荷葉」、源氏物語の中では「梅枝」と「鈴虫」で登場します。
「梅枝」では、源氏の娘“明石の姫君”が東宮の後宮に入内する際に
持参させる薫物の調合を女性たちに競わせたという話の中で、
花散里が調合したのが、この荷葉。
「鈴虫」では、源氏の二番目の正妻、女三の宮が出家を願い出、
夏の盛りの頃、女三の宮の出家を祝う会が行われるという話の中では
蓮の花型に彫刻した香炉でこの荷葉を薫いています。
日々の暮らしの中、香りで気軽に気分をリフレッシュすることができます。
この「荷葉」だけではなく、他にも涼しげな香りのお香もたくさん出ています。
お好みの香りを探してみるのも楽しみですね。
(平安時代の人々は、調合して自分好みのお香を作っていたようです)
・銀 竹に雀香立 (ガラス皿・非売品)
・銅 竹に雀香立 (ガラス皿・非売品)
今年の夏は、涼しげな香りを、涼しげなお香立てで
お部屋を薫き染めてみてはいかがでしょうか?
清課堂の店内でも、暑い外の雑踏からお越し頂いた時に
少しでも涼を感じて頂けたらと、夏の間この「荷葉」を薫いております。
・錫 カニ香立 ガラス香皿付き
※ SOLD OUT こちらの製品は完売いたしました。
(staff nakano)
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