純錫板を用いた家具の仕上げや建築内装

弊堂は日本に現存する最古の錫工房として、錫器を中心とした金属工芸品を扱ってまいりました。酒器、茶器、花器などがよく知られていますが、「純錫板」を用いた家具の仕上げ(表装)や建築内装も数多く手掛けております。創業以来、積み重ねてきた経験と技術を結集した表装・装飾技法(実用新案取得済)についてご案内いたします。

*実用新案取得済:家具、建築物、店舗用什器にやわらかい純錫板を貼って装飾すること。
*本技術は独占権であり、無断で内容を実施(製造・販売)すると、侵害になります。侵害者に対して差止請求や損害賠償請求を行うことがあります。

 

■肌合い、形状

錫工房の技が活きる多様な “肌” を楽しめる

錫工房として180年以上培ってきた技術を活かし、多様な “肌” をご提案できます。純錫板に天然石や金鎚を打ちつけた伝統的な模様だけでも、幾通りもの表現が可能です。器物に用いる”鎚目(つちめ)”よりも、傷に強い石目(いしめ)地荒らし仕上げをお薦めしています。

鎚目の入った錫製テーブルの加工

純錫板への天然石を用いた石目(いしめ)

鎚目の入った錫製テーブルの加工 width=

継ぎ目なく溶接することで大型什器も対応

錫は金属の中でもずっしりと重く、やわらかい素材であり、高価でもあることから、大型什器の製作には不向きとされてきました。しかし錫の伸縮する柔軟性を活かし、箇所を問わず継ぎ目なく溶接も可能であるため、壁や大型カウンターなど大きな面にも1枚板の様に無限に純錫板を貼っていくことができます。

金属は木や陶などの素材に比べ熱伝導率が良く、保湿性が低く周りの熱を奪うという側面もあります。例えば氷を入れたワインクーラーなどはどうしても結露しがちです。しかし異素材と組み合わせて ”それぞれの長所を活かす” ことで、弱点を克服。「軽さ・強度・経済性・保湿性」を併せ持つ、大型什器の制作も可能です。

錫製建具の加工

純錫板を用いた建具の加工

 

三次曲面など複雑な素地への施工

純錫板を厚さ0.8mm~1.2mmまで薄く延ばし、特殊な接着材で素地に貼ることで、複雑な曲面へも自在に施工できます。やわらかく耐食性に優れた錫の特性や、淡い銀色の美しい肌目を活かしつつ、広い面にも貼れることで、テーブルに限らず、キッチン、家具、ワインクーラーボックスなどの大型飲食器、オブジェなど、幅広い什器に応用ができ、錫装飾の可能性が大きく広がります。

3次曲面への貼り付け、表装も可能

純錫板の三次曲面への貼り付け

 

 

■施工条件(施工素地)

  1. 施工素地として木材、石、金属、コンクリートは対応可能です。純錫板は薄く柔らかい素材のために素地の施工面の凹凸が仕上がりに影響します。極力、凹凸や段差がないことが望ましいです。
  2. 施工条件として高温、低温、湿気にさらされる環境ではご使用いただけません。自然環境下であったとしても、炎天下に晒される条件では製品寿命が短くなります。
  3. 錫は比重の高い素材です。施工面積によっては数10kgにもなるため、素地はもちろん土台や床も相応の強度が必要です。
  4. 施工条件の大きさに制限はありません。純錫板を溶接し繋ぎ合わせることで継ぎ目なく施工可能です。

 

 

■価格(目安)

  • 純錫板の貼り付け:施工面積 1cm2あたり 24円 〜
    (材料費含む:肌合い、形状による)
  • 純錫板の溶接:溶接距離 1cm あたり 200円〜
  • 出張費: 1人1日 あたり 30,000円〜

    *別途交通費など諸経費が生じます。

 

 

■納期(目安)

  • 純錫板の材料準備:圧延や肌作りなど材料の製作に概ね 45日間
  • 施工器物に錫板を接着、溶接する作業:概ね 4〜6日間

    材料準備の後、下地づくり、接着、仕上げ作業を行います。

 

 

■お見積もり・お問い合わせ

施工面積、形状、肌合いによってお見積させていただきます。

純錫板を用いた家具の仕上げや建築内装:お見積りフォーム」よりお気軽にお尋ねください。

 

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■これまでの施工例

代表的なものをご紹介いたします。